骨粗しょう症とは
骨密度は、10~20歳にかけて著しく強固になっていき、20~25歳の頃に最大となります。そして、40歳ごろから急激に低下し、骨が脆くなっていきます。その結果、骨折のリスクが高まってしまう疾患を「骨粗しょう症」と呼んでいます。大半は加齢に伴う骨の劣化が原因ですが、ステロイドなどの薬物使用などが原因の続発性骨粗しょう症もあります。
若年期からの対策が重要です
加齢とともに骨密度が低下していくこと自体は避けられません。従って、10代の頃に食事などでしっかりと栄養を摂取し、適度な運動を継続的に行うことによって「最大骨量」を高めておくことが重要となります。中高齢期に骨量が徐々に低下していきますが、もともとの最大骨量が多いため、骨粗しょう症のリスクを減らせるわけです。
この時期を過ぎてしまった方は、様々な予防活動を心がけ、骨量の低下をできるだけ食い止めるための生活習慣が求められます。(主な予防法はこちらをご覧ください)
骨粗しょう症の検査方法
骨密度測定
骨にはカルシウムなどが豊富に含まれています。これが骨の中にどのくらい詰まっているのかを測定し、骨の強さを把握します。
骨代謝マーカー
骨は、一度作られたら永久に変化しないものではなく、代謝を繰り返しています。血液や尿で調べることができる骨代謝マーカーは、破骨細胞と骨芽細胞のバランスを調べる指標であり、現在の骨の状態を把握することが出来ます。
エックス線検査
背骨などのエックス線撮影を行い、骨折や変形が生じていないか調べます。また、骨組織の構造も映りますので、骨粗しょう症の進行度を判断する際の一助となります。
身長測定
25歳の時の身長と比較し、現在の身長がどのくらい縮んでいるのかを測定します。この数値が4㎝以上の方は、骨折のリスクが2倍以上になると言われています。
主な治療と予防法
食事療法
骨はカルシウムやタンパク質によって作られています。その骨を作る過程ではビタミンDやKなども必要となります。つまり、骨粗しょう症を予防し、病状の進行を食い止めるには、適切な食事によって、これらの栄養素を摂取しなければなりません。
生活習慣や骨粗しょう症の状態によっても異なりますが、毎日カルシウムを700~800㎎、ビタミンDを400~800IU、ビタミンKを250~300㎍ほど摂取するよう心がけましょう。
運動療法
適度な運動によって骨や筋肉に負荷をかけることも予防効果があります。筋力だけでなく、身体のバランス感覚も向上し、転倒防止にもつながります。
もっとも、過度に負担をかけることは好ましくありません。骨密度が低い方が激しい運動を行うと、骨折や関節の機能障害を引き起こす可能性があるからです。運動療法を行う際には、医療機関を受診し、専門的な指導を受けるようにして下さい。
薬物療法
食事・運動療法では効果が上がらない場合は、薬物療法も併用します。具体的には、骨の破壊を抑制する薬(ビスフォスフォネート製剤など)、骨の材料を補う薬(カルシウム製剤や活性型ビタミンD3製剤など)、骨を作る薬(副甲状腺ホルモン製剤など)を用います。